[メイン3] しンズ : 「んだよガヴィル先生 治療オペレーターの規則には精神の傷のためのマニュアルはなかったか?」
[メイン3] ベルディリア : ──怒気と共に、戸を思いっきり開ける。
[メイン3]
ベルディリア :
「ガヴィルじゃないが。
……生徒の傷は人それぞれだからな。正しいマニュアルなんてないさ」
[メイン3] ベルディリア : 「……で。オマエ、シーンは何処に置いてきたんだ」
[メイン3] しンズ : 「あ?あー…部屋の前で置いてきたけど…あの子らのこと撮ってんじゃないの」
[メイン3] ベルディリア : 「何やってるんだよアイツ!?」
[メイン3] しンズ : 「ていうか真横通過してたぞ…気づいてやれよ」
[メイン3]
ベルディリア :
「えっ」
振り返る。
[メイン3]
シーン :
「………………」
ドアの方に集中しておりピクリとも動かない
[メイン3]
ベルディリア :
「お~~~~い……」
ほっぺつつく。
[メイン3] しンズ : 「ほれみろ なんかいい感じのシャッターチャンス待ってる感じだなありゃ…おいあんま邪魔せんであげてくれ」
[メイン3]
しンズ :
「シーンお嬢様は記録に遺したがるんだ
悲しみも苦しみもひっくるめてな…人撮るのは珍しいが」
[メイン3]
ベルディリア :
「隠し撮りは感心しないな」
シーンの近くで壁に背中を預ける。
[メイン3] ベルディリア : 「まぁ……今アイツらがどんな顔してるか、写真で見せてやれば良い薬になるか。ハハッ」
[メイン3] しンズ : 「悪用はしないさ …本人も隠し撮りというか風景画みたいな気分だろうけどな」
[メイン3]
しンズ :
「なー、あいつらおれが喋ってもなんも反応しないでやんの
機械差別かよ」
[メイン3] ベルディリア : 「お喋りしたいならやり方を考えろよ。思春期か?」
[メイン3] しンズ : 「シシュンキ トイウ キノウ ハ トウサイ サレテ オリマセン」
[メイン3]
ベルディリア :
「急に機械になるな」
けらけら笑って。
[メイン3] しンズ : 「いやどうも…こういう雰囲気苦手でな…」
[メイン3] しンズ : 「人の情緒?とか割と分かっちまう分逆に理屈で解決しようとしまう」
[メイン3] ベルディリア : 「分かるぜ。私も得意じゃないからな」
[メイン3] しンズ : 「こう…魂で殴り合う感じのがいるんだろうなァ」
[メイン3] しンズ : 「って!おれ魂ないけどね!ワハハハハ!!」
[メイン3]
ベルディリア :
「ま……理屈じゃ為らないから、教職ってのはいいもんだ。
……しンズ、オマエもな」
[メイン3] しンズ : 「…なーにが言いたいのさ」
[メイン3]
ベルディリア :
髪をわしわし…は出来ないので。
しゃがみこんで頭っぽいパーツをぐしゃぐしゃ撫でる。
[メイン3] しンズ : 「やめっ病み上がり?再起動上がりだぞ!パーツ台払えんのかぁあぁあ」グワングワン
[メイン3]
ベルディリア :
「魂があるかないか。人間かそうじゃないか。
そんなことはどうでもいいんだ。オマエは私の生徒だよ。
ちっと不器用でも”心”優しい、な」
[メイン3] しンズ : 「体育教師みてーな説得だな…ふぅぅ……お前やっぱ医療オペレーターより前衛にでも就職したらどうだ…」
[メイン3] しンズ : 「…ご忠告ありがとうございます、か?」
[メイン3] ベルディリア : 「だから、その……ガヴィルさんとか言うのとは別人だって!」
[メイン3]
ベルディリア :
「オマエに感謝なんて”感情”があるならしてもらうことにするよ」
からかうように笑いかける。
[メイン3] しンズ : 「あああ!こういう時髪掻きむしるんだろうなニンゲンってのは!!」
[メイン3] しンズ : 「……………ありがとよ」
[メイン3] ベルディリア : 「どういたしまして」
[メイン3]
しンズ :
「全く機械もニンゲンも不便なもんだ
いっそ機械人間になりゃいいのに」
[メイン3]
ベルディリア :
「みんな違ってみんないいってもんさ」
「しンズも、レンズも、シーンも」
[メイン3] しンズ : 「…なんだ、お前も良い奴だぞ…その……」
[メイン3] しンズ : 「ベルディリア」
[メイン3]
ベルディリア :
「……っ」
驚いて、目を広げて。発せられた6文字の合成音声を噛み締めるように閉じる。
[メイン3] ベルディリア : 「ようやく、呼んでくれたな」
[メイン3] しンズ : パシャリ
[メイン3] ベルディリア : 「あ」
[メイン3] しンズ : 「ガヴィルせんせの驚きの顔激写完了だ!」
[メイン3] ベルディリア : 「あっオマエ! しかも、またガヴィルって……!!」
[メイン3]
ベルディリア :
「この!」
振り上げる拳骨。
[メイン3]
しンズ :
「ニンゲンそう簡単に変われねーよ!
だからこそ、写真で変化を楽しむもんだろ」
[メイン3]
ベルディリア :
ぴたりと手を止めて。
やれやれ……
[メイン3]
ベルディリア :
変われるように話していたつもりで、本当に変えられたのは私だったってか。
コイツは一杯食わされた。
[メイン3] ベルディリア : 「……あれ、シーン…………」
[メイン3] ベルディリア : ため息をつきながら首を振れば、先ほどまで微動だにせずシャッターチャンスを伺っていたはずの少女がいないことに気が付く。
[メイン3] しンズ : 「あっちもいいのが撮れそうになったっぽいなァ」
[メイン3]
ベルディリア :
「……友達も、主従も似たようになるらしいな」
撮られた恥を思い出して顔が勝手に赤くなる。
[メイン3] しンズ : 「…クク…”楽しい”な!」
[メイン3] ベルディリア : 「…ああ……”楽しい”」
[メイン3] しンズ : 「おーいシーンお嬢様!!ツーショット頼むわ!!」
[メイン3] シーン :
[メイン3] シーン :